事故

愛知県医療療育総合センター中央病院の会見と医療事故報告書「1回で1瓶丸ごと服用」

事故

愛知県医療療育総合センター中央病院の医療事故報告書や会見内容を簡潔にまとめ紹介します。
報告書は、ダウン症患者だった36歳の小牧市に住む蔵座徹(くらざではなくぞうざとおる)さんが便秘治療薬として基準値の15倍の下剤(ピコスルファートナトリウム内用液)を処方され死亡した事故についてです。
院長についても紹介します。

蔵座徹さんの顔写真と医療ミスをした担当医師の調査

愛知県医療療育総合センター中央病院の会見内容「下剤を15倍処方」

36歳のダウン症患者の男性、蔵座徹さんが基準の15倍の薬を処方され死亡した医療事故で愛知県春日井市で愛知県医療療育総合センター中央病院が会見を行いました。

処方されたピコスルファートナトリウム内用液は1回10~15滴が適量ですが、1回で1瓶(150滴)服用するよう指示されました。

ピコスルファートナトリウム内用液は、便秘薬です。
飲むと大腸の粘膜を刺激し、腸の動きを活発にします。
副作用として、今回のような吐き気、下痢、蕁麻疹などがあります。

死亡の原因は、経過観察方法の説明が不十分でバイタルサインの測定が不適切だったと説明しました。

被害者の蔵座徹さんは、処方された翌日に入院しましたが死亡しました。

愛知県は、病院から被害者に対して損害賠償を払うよう手続きを進めることになっています。

愛知県医療療育総合センター中央病院の医療事故報告書のまとめ「ダウン症患者が死亡」

愛知県医療療育総合センター中央病院で、2021年5月18日に激しい下痢及び嘔吐で入院し、その日に亡くなるという医療事故の事故報告書がホームページに挙げられていたので、要約して紹介します。

  • 2021年5月17日、患者(蔵座徹さん36歳)が難治性の便秘で外来受診
  • ピコスルファートナトリウム内用液0.75%1瓶(150滴)、モビコール配合内用剤を処方される
  • 帰宅後にピコスルファートナトリウム内用液を1瓶(150滴)服用、午後2時にモビコール配合内用剤4包を内服するよう口頭で指示
  • 同日の夜、患者の家族から、トイレで排便の際に患者の顔色不良・冷や汗があると報告、病院に搬送
  • 医師が血液検査などするが緊急性はないと判断し、筋肉注射を受け帰宅
  • 翌朝(5月18日)4時、患者は再度嘔吐を繰り返し、家族が病院に連絡
  • 同日午前5時~9時、医師が患者の脱水症状を疑い、入院・絶食・点滴での経過観察が必要と判断し、入院。しかし患者が点滴を嫌がり、輸液ルートを抜こうとし、家族に説明し同意を得て身体拘束
  • 同日午前9時~午後3時、医師の判断で、点滴と身体抑制が中止、水分を30分おきに飲ませた。体温は37.7度で少量の嘔吐があった
  • 同日午後3時~午後5時、患者は嘔吐は改善傾向があったものの水様便を繰り返すようになった。30分おきに水を飲ませ続けたが、患者がトイレで意識を失った。しかし看護師は緊急性を要するものではないと判断した
  • 同日午後5時~7時、患者はトイレで嘔吐し、水様便を大量に排泄。再度身体拘束し、家族は付き添いベッドを受け取るため6時55分に病室を離れた
  • 同日午後7時5分、家族が病室に戻ると患者が息をしていない、医師による蘇生行為が行われたが、8時34分に患者が死亡

愛知県医療療育総合センター中央病院で小牧市の蔵座徹さんが死亡「難治性の便秘だった」

愛知県医療療育総合センター中央病院で小牧市に住む36歳のダウン症患者だった、蔵座徹(ぞうざとおる)さんが死亡しました。

蔵座徹さんは、ダウン症の治療ではなく難治性の便秘の治療で受診していました。
難治性とは「治療が特に難しく、病状が長く続いて日常生活の負担が大きい病気」のことです。

蔵座徹さんの顔写真については公開されていません。

愛知県医療療育総合センター中央病院の院長「水野誠司」

愛知県医療療育総合センター中央病院の院長は水野誠司さんだと、顔写真と共にホームページ上で紹介されていました。
※院長の顔写真がホームページ上で、なぜか縦長で掲載されていました。

紹介文を読んでみると、水野誠司さんは今年の4月から愛知県医療療育総合センター中央病院の院長になったと分かりました。

院長の水野誠司さんは、遺伝子診療などで障害児医療に献身してきたそうです。
今回の事件に水野誠司さんは直接患者と関わっていませんが、今回の患者の接し方についての医師と看護師の間違いは、水野誠司さんから見たら明らかだったのではないでしょうか。

水野誠司さんの学歴と経歴

  • 1983年名古屋大学医学部卒業
  • 名古屋第一赤十字病院に勤務
  • 名古屋大学小児科医局に入局
  • トヨタ記念病院や東海市民病院を経て、2001年に愛知県心身障害者コロニー 中央病院小児内科医長
  • 愛知県医療療育総合センター中央病院で遺伝診療科初代部長
  • 2022年4月から愛知県医療療育総合センター中央病院の院長
  • 専門:染色体異常症や遺伝子疾患などの小児科領域の遺伝診療
  • 日本小児科学会認定小児科専門医
  • 日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医

蔵座徹さんの顔写真と医療ミスをした担当医師の調査

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